飛翼が振れ、轟音が天を貫く時、戦士達は士気を高め、敵は恐怖に震える。それが凛風の翼騎兵団の突撃の合図だ。騎兵団の長槍と軍刀は、閃光の如く戦局を動かし、戦場に決定的な影響を与えた。
恐れを知らぬカロール…騎兵団史上最も若き指揮官は、その比類なき槍術、騎術、そして勇気で、雪原を駆け抜ける伝説となっていた。彼と仲間達は幾度もの突撃と勝利を重ね、鉄蹄と鋭刃で終わりなき栄光の戦歌を奏で続けている。
カロールの故郷には、一面に広がる広大な草原が広がっていた。氷雪の世界で最も優れた馬場があり、育った名馬達は驚異的な耐寒性を備え、雪の中を風のように駆け、疲れを知らずに走り続けることができた。土地の恵みによって訓練を積んだ翼騎兵達は危険を避けられない平原の上にそびえる壁のような防衛網を築き、数多の町で構成される連邦を守った。
カロールは翼騎兵の数々の物語を耳にしている。共に成長した多くの少年達と同じく、彼の夢もまた凛風の翼の一員となり、草原を駆け抜け、故郷を守ることだった。征兵官が彼の町を訪れた際、当時の彼はあまりにも幼く痩せていたが、幼少から磨き上げた卓越した騎術で征兵官の心を掴んだのだった
カロールが新兵の頃、故郷は強大な外敵の侵攻に直面していた。敵は強力な火力を誇る烈日巨砲と鋼鉄の蒸気戦車を有し、その猛攻に戦士達は苦戦し、危機的な状況に陥っていた。しかし、幸いにも突如吹き荒れた猛吹雪が戦局を一変させる鍵となった。
重く動きの鈍い戦車と火砲は雪に埋もれ動けなくなったが、優秀な馬達は深い雪を平然と進み続けた。そして、猛吹雪が収束しようとする間際、準備を整えた騎兵団は立ち上がり、数倍もの敵に向けて最後の突撃を敢行した
カロールは当時の団長と共に正面から猛攻を仕掛け、別の精鋭部隊が側面から迂回して奇襲をかけた。戦いは昼まで続いたが、ついに耐えきれなくなった敵は撤退を始めた。凛風の翼騎兵団は大きな犠牲を払いながらも、その名誉を守り抜いた。
団長が倒れた後、カロールは軍旗を引き継いだ。新たな指導者として、若きカロールは部隊の再建という重責を担ったが、故郷を戦争と苦しみから守る為、より強力な領主達を結集させることを決意した